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車に追突されました

轢かれたって程ではなく、立ってた所にバックで進んできてドンッ、と。

カオカームー片手に道を渡ろうと思い、右側から来る車の列が途切れるのを待っていて、

右側をずっと見ていたら、車が反対側からバックしてきて、ぶつけられました。


通りに屋台が並んでる地点なので、メシ喰いに来て駐車しようとした車なわけです。

なのでバックで死角からぶつかってきたわけです。

なもんで駐車するくらいの速度なんで 3 ~ 4 メートル吹っ飛んでよろめく程度でした。

なので体は何も問題ないです。全く問題ありません。



でも精神的にすごく落ち込んでます。ものすごく落ち込んでます。



別に、真っ先に謝ってくれりゃ、何も問題なかったんです。落ち込む事もなかったんです。

助手席の女が恐る恐る出てきて、運転してる奴は中々出てこなくて、

呆然と立ち尽くしてたらようやく出てきて、気まずそうに、「大丈夫ですか?」と。

その段階で、ん?なわけですが、取り敢えずぶつかった左腕を見ていると、

「どこも怪我はしてない・・・みたいですね。ん。大丈夫・・・ですね?」と。

は?え?何?それだけ?

「いやぁ、見えてなくて。まぁ、大丈夫ですよね、えぇ。」と。

・・・・・・・・・。こちら口を開けて絶句。出ました典型的タイ人。

いやいやいやいや、それだけなの?ぶつかってきておいて、それだけ?

「見えなかったんで。じゃ、なんか痛い様だったら病院に行きますか?」

いやいや、そんな不誠実な態度とられたら病院より先に警察呼びたいくらいだけど。

「・・・あ、じゃあ警察呼びますか。ね、警察呼びましょう。」


はい、ここで切れました。ここが私の沸点だったようです。


じゃなくてさ、ごめんなさいじゃねーの?まず最初に謝らなきゃいけなくないか?

病院だとか警察だとかより先に、まず謝るべきなんじゃねーの?

私は別に事を荒立てようとしてるわけじゃねーの。ただ謝って欲しいだけなの。

一言謝ってもらえば、大丈夫です、で済む話なの。でさ、なんで謝ってくれないの?


と、伝えました。はい、大声で怒鳴ってました。原形とどめてないメシ片手に。

普段はいくらでもコートーって言える人達が、一番言わなきゃいけない時に、

どうにかして言わない様に持って行こうとする例のアレなわけです。

したらまぁ、やっぱり言ってくれちゃうわけです。逆撫でするような事を。


「いや、言ったよ。既に言ったよ。」


あのさ、言った言わないの水掛け論かましてる場合じゃなくてさ、

そうじゃなくてさ、こっちは最初からコートーだけを聞くためにスタンバッてるわけ。

それだけに注意して聞き耳たててるわけ。だから聞き逃しとかないわけ。

でも百歩譲ってその、その場しのぎの軽々しい嘘を本当だったとして、

謝罪ってさ、何かね?相手に届いてなきゃ意味ないんじゃね?

明らかにこっちに届いてない事を表明してて、要求してるわけだから、

その場でまた言えばよくね?なんで言えないの?言おうとしないの?

届いてなくてもノルマ果たしたからオッケー?事実上は言ったからオッケー?

なにそれ?

だからさ、その責任逃れのためのくだらない嘘とかもさ、2 秒で論破されるんだから、

いい加減そういうの通用しねぇって気づいて、改めてくれよマジで。

というかさ、謝罪をさ、こっちから言わせる形にしないでくれよ。

そっちから自発的に言ってくれよ。じゃないと空しいだろ、そんなの聞いても。


「まぁ、わかりました。警察呼びましょう。」

と一言残し、車の中に籠もり始めました。

奴も私が外国人だという事をわかってて、特に外傷もない事をわかってて、

計算した上で車の中に逃げ込んでるわけです。

私だってわかってます。警察呼ばれりゃ外国人は徹底的に不利です、この国では。

ある事ない事いわれて、言葉の問題でまず相当に不利ですし、

ヘタすりゃこっちが言いがかりをつけてる当たり屋みたいな事にもなりかねないわけです。

例えこっちになんの非もなく、どこまでもイノセントで、メシ買って立ってた所に追突されて、

本当に何も悪い事をしていない絶対的な被害者だとしても、

警察にたしなめられて、加害者に建前だけの謝罪をさせて、それで終わりってのがオチです。


もう、そんなの時間と労力の無駄。気が遠くなるほど無駄。全くもって非建設的。

じゃあ、どうする?って泣き寝入りですよ。この不条理を無条件で受け入れるわけですよ。

はい、憤慨しながら道を渡って帰宅しましたよ。



自分を取り巻く、不条理を受け入れざるを得ない環境とか、

そこに頼まれてるからいるわけではない事実とか、

いる事を選択した過去の自分自身の決断に対する後悔とか、

様々なチャンスを自らの不手際も含んで、失い、浪費し続けたこの国での時間とか、

築き上げて来たものとか、築き上げて来られてないものとか、

今更後戻りできない現状とか、戻る勇気が無い真実とか、

色々考えました。


酒が不味い。



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